テンテンAIRLINE

こころ誕生

2004年3月8日

里帰りしてから、母がいつ産気づくかもしれないから出歩いてはいけない。と言われいつも家の中で過ごしていました。
どこにもいけない、何もできないでイライラしながらもよく動くお腹に声をかけおくるみを編んだり昼寝をしたりして過ごしていました。
この日もおくるみを編み、いつもおそくまで勉強している妹と深夜までリビングで過ごしていました。明け方3時30分を過ぎ、おくるみをきりのいいところまで編めたので、もう寝る事にしました。

2階の部屋にあがり布団に横になって15分。
3時45分頃
何かが出た感じがしました。きっとおりものかな。と思ってそのまま寝る。
3時50分
また何かでた。もしかして?!と思い急いでトイレへ。パンツはびしょびしょに濡れている。破水したら生臭いにおいがする。と本でみたけどにおいをかいでもよくわからない。でも、パジャマのズボンもびしょびしょになるほど濡れていたので破水したんだ。と思い隣の部屋で寝ている母に「破水したみたい」とつげ、ナプキンを2枚あて入院の荷物をもっておりた。今日は急に冷え込んだとても寒い朝だった
       
下におりると、母が化粧をしていた。
こんなときに・・・。なんで化粧なんてしてるの?!と自分の緊張とこれから、どうなるのかわからない不安で母にあたってしまった。

弟をおこし、4時過ぎに産院へ連れて行ってもらう。

産院へつくと、まず陣痛室にはいり服を着替え破水している事を確認してもらいNSTをつけてもらった。
弟をダンナと勘違いしたのか、看護婦さんに「立会いされますか?」と聞かれた。弟には帰ってもらい母と陣痛室で7時まで過ごした。
まだ痛くもないので普通に会話し「あかちゃんも頑張ってでてくるんだからお母さんも頑張らないとアカンよ」と母に言われなんだか涙がでてきた。NSTでみると陣痛は5分間隔できているらしい。お腹がはってるのがわかりますか?と看護婦さんに聞かれたがよくわからなかった。

7時に部屋に移動。
同室の人もいま陣痛中の人だと教えてもらった。8時に朝食を頂いた。
9時になり、1階の外来で診察がある。と言われ母には一度帰ってもらい同室の人と一緒に診察室へ行った。
アタマはそこにあるけど子宮口はまだ1センチほどしか開いていない。でも柔らかくなっているので陣痛促進剤は使わなくても大丈夫だと言われそのまま部屋に帰った。

昼過ぎまでは、ほとんど変化ナシ。浣腸をしてもらいトイレへ。少しずつ出産に近づいてきているんだな。って感じた。
昼が過ぎ、おしりあたりに違和感が。15時頃から4分間隔できつい陣痛がくるようになった。でも、なんとか呼吸法でのりきれる痛さだった。
同室の人も痛い、痛い。と叫んでいる声が聞こえる。
16時ごろ、母とダンナが来てくれた。
17時前の助産婦さんの内診で子宮口7センチほどひらいており、いい感じ。との事。でも、まだ時間はかかるかもしれない。との事なので母にはまた帰ってもらいダンナに付き添ってもらった。
だんだん、何かがはさまっている、出そうな感じがしてきた。
「痛い」と声に出さずにはいられないほどの強い陣痛がきだした。
よくダンナさんに腰をさすってもらうとラクになる。と書いてあったけど私は触られるのも声をかけられるのもイヤで一人で耐えるタイプのようで一人で叫び一人で泣きながら耐えた。だけど、ダンナには隣にいてほしくて。ワガママだったかな。

夕飯がきたけれど、食べれるわけもなく助産婦さんも「きっと奥さん食べれる状況にないと思うのでダンナさんどうぞ」と声をかけてくれダンナは痛い痛いと叫んでいる私の横でパクパク食べていた。
「お茶、どこにあるん?」と痛がっている私に聞いてきた時にはさすがに腹がたった。
食事が終わったと思ったら今度は隣でこっくりこっくり寝だして。。。
でも、怒れないほど痛くて。

18時30分の内診で分娩室に誘導される。
同室の人の方が先に入院してたし、同室の人の方が先かな。なんて言っていたけれど私の方が早くに進んだようです。
私の部屋が分娩室から一番離れた部屋で、分娩室着くまでに何度も立ち止まって陣痛をのがした。

分娩室へ。
分娩台にあがり、点滴・導尿・ていもうの処置をしてもらう。
いつも健診の時は内診台にあがってもカーテンがあって先生と顔を合わすことがなかったので恥ずかしいなんて思わないけれど、分娩台はカーテンないのに、恥ずかしくないのかな?と母親学級で分娩室を見学させてもらったときに思っていたけれど、実際自分があがってみて、そんな事感じる間もなく、ただただ痛くて。

以前、会社の先輩から「よく陣痛室や分娩室で大声で叫んでいる人がいるけれどあれはかっこ悪いよ」って聞いていたので、絶対叫ばないでおこう。って思っていたけれど、痛い、痛い。もうイヤや。って叫びまくっていました。
吹奏楽をやっていたおかげか、肺活力があるようで長くいきむ事ができ助産婦さんに上手よ。とほめてもらった。やっと先生がきてくれ会陰切開。切っている感じはあったけど、痛さは陣痛の方が痛くて感じなかった。

目をあけてごらん。って言われたけどずっとつむったままで
あかちゃんが出た瞬間は見れなかったけど、あかちゃんが先生にとりあげられ大の字になって抱いてもらっている姿を見たようなきがする。

そして19時13分。元気な産声が聞こえました。
周りから女の子ですよ。おめでとう。おめでとうございます。という声が聞こえた。
いま体重とか計ってるからね。と連れて行かれ、あかちゃんは白いタオルにくるまれつれて帰ってきてくれ抱かせてくれた。

私がはじめにでた言葉が「あったかい」でした。
とっても温かかった。そしてずしん。とした重みがありました。
「ダンナさんに見せてきますね」と言われ私は会陰切開の縫合やら胎盤をだす処置やらをしてもらった。
胎盤をひっぱっている感覚はすごくあった。縫合はチクチクして痛かった。

分娩室での写真は立会いではないので、無理だろうな。って諦めていたのに、看護婦さんが撮って下さった。
でも陣痛がきていて痛い時に「カメラがあったらとりますよ」って。
嬉しかったけど、今めっちゃ痛いのに。
ダンナにとってきてもらい看護婦さんにカメラを渡す事ができた。でも、看護婦さんが撮り方わからなくて、痛いと言っている私に聞いてくるの。
「痛いのに~」なんて言いながらここを押してください。とお願いした。
おかげで分娩室ではじめて抱っこした写真や計測してもらっているあかちゃんの写真をとってもらった。本当に嬉しかったです。

分娩台で休んでいる間ダンナや母が分娩室のドアから「お疲れさん。おめでとう。かわいいあかちゃんだよ」って声をかけてくれた。なんだかうれしくてまた恥ずかしくて。

本当なら、ここで2時間は安静だったんだけど、同室の子が生まれそうなのでストレッチャーに移動し部屋まで運んでもらった。

予定日より1週間以上早く2980グラムの元気な女の子「こころ」が誕生しました。


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